揚げパンの歴史について
「揚げパン」とは、コッペパンを油で揚げたパンのことです。
甘くて美味しいですよね。
そんな揚げパンですが、どういった経緯で、いつ頃できたのでしょうか。
今回は、揚げパンの歴史について解説します。
病気で休んだ子の為に生まれたパン
終戦から9年後の昭和29年。
まだ戦後に生きる子供たちにとって、食の厳しい時代が続いていました。
栄養価の高い食べ物・美味しい食べ物が少なかったのです。
そんな戦後の日本で育ってきた小学生にとって、給食のパンは生きていく為に貴重な栄養源でした。
給食があったことで、救われた命がいくつもあったと思います。
その為、「欠席した子供のためにパンを届けてあげる」というシステムが日常化されていたのです。
しかし、せっかく届けても、給食のコッペパンは乾燥しやすく、すぐにカチカチに固くなってしまいました。
そこで、大田区嶺町小学校の給食担当だった篠原さんは、乾燥対策としてパンを油で揚げるアイデアを思いつきました。
揚げたあと、さらに砂糖をまぶすことで、パンの表面の乾燥を防ぐことができたのです。
これが揚げパンのできたきっかけです。
学校を欠席した子にも美味しいパンを届けたい。
揚げパンはそんな優しい想いから、生まれたパンなのでした。