クレープのように薄焼きにしたそば粉の生地に、塩気のある食材を乗せて作る「ガレット」。
フランスでは紀元前から作られており、クレープのもとになったことで知られています。
今回はそんなガレットの特徴やクレープとの違い等を解説します。
ガレットとは?
「ガレット(galette)」とは、フランス・ブルターニュ地方発祥のそば粉で作ったクレープのことです。
また、平たいパンケーキを総称して「ガレット」と呼ぶことがあります。
通常の甘いクレープとは異なり、ガレットにはチーズ・ハム・魚介類・卵など、塩気のある食材をトッピングして提供することが多いです。
もともとはブルトン語で「Krampouz」といい、これは「まるく薄いもの」を意味したそうな。
ガレットの種類
日本ではガレットと言えばそば粉で作った「ガレット・デ・サラザン」が有名ですが、実はガレットと付くフランス料理・スイーツにはいくつか種類があります。
以下、代表的なガレットです。
- ガレット・コンプレット:エメンタールチーズ・生ハム・卵をおいた通常のガレットのこと。
- ガレット・ソーセージ:熱いソーセージを通常のガレット生地で巻いた料理のこと。
- ガレット・ブルトンヌ:小麦粉で作る薄焼きのクッキーのこと。
- ガレット・デ・ロワ:パイ生地で作った甘くて丸い焼き菓子のこと。
ガレットの歴史
ガレットは、紀元前7000年頃には食べられていたとされています。
伝説によればある日、一人の女性が太陽で熱くなった石の上にそば粉のお粥をこぼしてしまい、石の上にこぼれたそば粉のお粥は焼けて固まりました。
これが、ガレット誕生の瞬間です。
その後、17世紀になり、ルイ13世の妻・アンヌ王妃が「ガレット」を気に入ったことからフランス全土に伝わるようになります。
「ガレット」と「クレープ」との違い
ガレットとクレープは両方とも薄い生地に具材を包んで食べる点が共通していますが、この2つが似ている理由は、「クレープ」が「ガレット」をもとに作られた料理だからです。
しかし、現在、「ガレット」と「クレープ」は全く異なる料理として知られています。
以下、具体的に何が違うのかを確認しておきましょう。
「そば粉」か「小麦粉」か
地域によって使用する食材は異なりますが、まずガレットとクレープでは使う材料が違います。
ガレットは、主にそば粉・塩・水などを使う為、そば特有の香りを味がする料理となります。
一方で、クレープは、主にバター・卵・砂糖・牛乳などを使う為、食材の優しい味わいに仕上がります。
なお、ブルターニュ地方の西部地域では、ガレットの生地に小麦粉や卵を使うこともあるそうです。
「食事」か「デザート」か
最近は区別しにくくなっていますが、ガレットとクレープでは料理の目的が異なります。
ガレットは主に食事として作られる為、具材には塩気のあるチーズ・ハム・魚介類・卵・サラダ等が使われることが多いです。
一方、クレープはデザートとして作られる為、具材には生クリームやフルーツ等が使われます。
ただ、現在はフルーツを包むガレットもありますし、サラダ風のクレープもありますね。
「片面を焼く」か「両面を焼く」か
本来、ガレットとクレープは焼き方も異なります。
ガレットは片面だけを焼きますが、クレープは両面を焼くのが基本です。
しかし、レシピによってはガレットでも両面を焼いている場合があります。
また、焼きあがった生地は、ガレットの場合は正方形に整える一方で、クレープの場合は扇形(円錐状)になるように包みます。
まとめ
ガレットとは、フランス・ブルターニュ地方で誕生した、そば粉で作ったクレープのこと。
最近はフレンチレストランやカフェ等の他、ガレット専門店も増えており、見かける機会が増えています。
また、家でも簡単に作れるので、気になるなら、ぜひガレット作りに挑戦してみましょう。