キャベツの栄養・効能
キャベツには、他の野菜では摂取しにくい、キャベジンとも呼ばれる「ビタミンU」が豊富に含まれています。
ビタミンUは胃酸の分泌抑制・胃腸粘膜の新陳代謝を促進する働きがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの予防・改善に非常に高い効果があるそうです。
その為、トンカツなど脂っぽいものを食べる時にキャベツを一緒に摂取することで、脂っぽさからくる胸焼けを起こす事も少なくなります。
胃が弱っている時、積極的にキャベツを食べるようにすると胃が楽に感じますよ。
また、ビタミンC、ビタミンKが豊富に含まれています。
「ビタミンC」は風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があり、「ビタミンK」は血液の凝固促進や骨の形成に貢献しています。
加えて、食物繊維も多く含まれているので、便秘の予防・改善にも期待できます。
キャベツの歴史
キャベツの原産地については諸説あるものの、ギリシャ・イタリア等ヨーロッパの大西洋、地中海沿岸だと言われています。
明確な原産地が分からないのは、その歴史があまりも古く、元々が自然に生えている野生種だったからです。
野生種は「ケール」と呼ばれ、今のキャベツのように球状ではなく、1枚の葉状でした。
その後、原種キャベツである「ケール」はコールラビ・芽キャベツ・紫キャベツ等の「キャベツ系統」と、ブロッコリー・カリフラワー・葉牡丹などの「ブロッコリー系統」に枝分かれしました。
実は、カリフラワーやブロッコリーもキャベツの仲間・親戚なのですね。
なお、キャベツの名前の由来は、英語の「キャベッジ」からなりますが、キャベッジはフランス語の「caboche(頭・丸いもの)」が転じたという説もあります。
ヨーロッパからアジアに伝播したのは、アレクサンドロス大王のアジア遠征だったと言われています。
兵士に食べさせたという記録が残っており、古代では薬用としての需要が高かったことが分かります。
古代エジプトでは酔い止めとして宴会の前に食し、ギリシアでも泥酔防止として用いられてきたとも。
日本には江戸時代にオランダ船によって長崎に伝えられ、「大和本草(1709年)」に「蛮種紅夷菘(おらんだな)、味よし」と記載されています。
戦後の洋食文化が広まった際、揚げ物に千切りキャベツを添えたことで、日本中にキャベツが広がったそうな。
旬・産地
日本では一年を通じて栽培されていますが、大きく分けると「4~6月」、「7~10月」、「11~3月」の3回の収穫期があります。
なお、出回る時期によって種類が変わります。
春キャベツ
主に「4~6月」に出回ります。
「新キャベツ」、「春玉」として売られていることもあります。
巻きがゆるやかで、球の中心に近い葉も緑色を帯びています。
葉が柔らかい為、サラダ・即席漬け等の生食向きで、最も美味しくなる時期は5月頃です。
冬キャベツ
晩秋から「早春(11~3月)」にかけて出回ります。
中でも「寒玉」とも呼ばれるものは、甘みがあるのが特徴で、葉が堅くて煮くずれしにくい為、ロールキャベツ等の煮物に向いています。
寒さの厳しい2月頃に最も美味しくなります。
夏秋キャベツ
「7~10月」に出回るキャベツで、葉が柔らかいのが特徴です。
群馬県、長野県、北海道などの高冷涼地でつくられるものは、「高原キャベツ」とも呼ばれます。