「ジェラート」、「アイスクリーム」、「シャーベット」って何が違うの?
ジェラートは、その見た目からアイスクリームやシャーベットと同じだと思う方もいるようですが、この2種類とは明確な違いがあります。
そもそも「アイスクリーム」って何?
「アイスクリーム」とは、牛乳などの原料を空気を含ませながら冷やし、クリーム状にした冷たいお菓子のことを指します。
乳脂肪分3.0%以上を含んだものをアイスクリームと呼び、全体に対する乳固形分や乳脂肪分の割合によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3種類に分けられます。
乳脂肪分は8%以上のものを「アイスクリーム」、3%以上のものを「アイスミルク」、それ以下のものを「ラクトアイス」と呼んでいます。
名前 | 乳脂肪分 |
---|---|
アイスクリーム | 8%以上 |
アイスミルク | 3%以上 |
ラクトアイス | 3%未満 |
では、ジェラートは?
ジェラートは、「凍った」という意味からきているイタリア発祥のお菓子です。
一般的なアイスクリームに比べ、風味が濃厚でありながら、乳脂肪分が4〜8%と低い為、もし少しでもカロリーを下げたいという時はジェラートを選ぶといいかもしれません。
その為、先程の分類でいうとジェラートは「アイスクリーム」ではなく「アイスミルク」に該当する可能性が高いということになります。
なお、シャーベットは?
シャーベットとは、アラビア語の「シャルバート」から来ているそうな。
果物などから作ったシロップを水で薄めて、氷で冷やした飲み物を意味する言葉ということです。
シャーベットとは、乳固形分3.0%未満の凍ったお菓子で、食品衛生法上「氷菓」と呼ばれます。
ジェラートとアイスクリームの違い
ジェラートとアイスクリームは、空気含有量(オーバーラン)やカロリーなどが異なります。
アイスクリームは、口元に冷たさを伝えすぎないよう、ふんだんに空気泡が混ざっている為、60~100%の空気含有量も珍しくありません。
その一方、ジェラートは、35%未満が標準とされています。
カロリーの面でも、ジェラートはアイスクリームよりも低くなっています。
アイスクリームは乳脂肪分が8%以上であるのに対し、ジェラートは4~8%しかありません。
その為、乳製品の成分規格に関する法律でも、ジェラートは「アイスミルク」と定義されています。
ジェラートとシャーベットの違い
ジェラートとシャーベットの場合、そもそも見た目から異なります。
シャーベットは、果物など材料をピューレ状にしてから凍らせ、文字通りに凍ったお菓子のような見た目にします。
それに対して、ジェラートは、かき混ぜたものを直接凍らせるため、アイスクリームのような見た目になります。
ジェラートは4~8%の乳脂肪が含まれるのに対し、シャーベットはさらに低く、3%未満がほとんどです。
シャーベットは牛乳を使っていてもアイスミルクとは見なされず、「氷菓」などと定義されます。
ジェラートについて
ジェラートの歴史
ジェラートに関する最も古い記述は、旧約聖書であるとされています。
このときは氷雪で冷やしたミルクシャーベット風の飲み物と表現されていたそうです。
その後は「ドルチェ・ヴィータ」と呼ばれる雪をベースに花水、果汁、ハチミツなどを混ぜた飲み物として、ローマで親しまれていたとされます。
その一方、マルコ・ポーロの「東方見聞録」においては、彼が北京でアイスミルクを味わったという記述があり、これがジェラートの元ではないかという意見も見られます。
ポーロは北京で飲んだアイスミルクの作り方を伝え、ヴェネツィア、ひいては北イタリア全土で有名な文化になったことが語られています。
また、15世紀初頭には、メディチ家の令嬢カトリーナがアイスクリーム職人も含めた専任シェフと共に、後のフランス王アンリ2世となるオルレアン公に嫁ぎました。
婚礼の席で振る舞われたアイスデザートが評判となり、フランスからヨーロッパ全土へと広がりを見せたとされています。
以上のことから、シャーベットと共にジェラートはイタリア発祥となり、ヨーロッパ全土、ひいては全世界へと広まったと考えられています。
ジェラートの味
ジェラートは、アイスクリームよりも密度が濃い為、コクのある味わいを楽しみやすくなっています。
味の基本と呼ばれる「甘味」・「うま味」・「苦味」・「塩味」・「酸味」のバランスが整うと、コクがあって美味しい状態になります。
アイスクリームの様に冷たさを調整する程の空気が含まれていないので、ジェラートはバランスの優れた味わいを楽しめます。
アイスクリームより低カロリーで、かつ、ヘルシーにも関わらず、満足な味を実感できます。