プリンの歴史
プリンが生まれたのは16世紀の大航海時代で、最初に作られたのは船の中でした。
当時、大航海時代に遅れて名乗りを上げたイギリスは、諸外国に後れをとるまいと世界中の海へ進出していました。
そんな世界の海を支配しようとしていたイギリスにとって、最大の問題は、航海における船乗りたちの食料の調達でした。
一度海に出ると、次の上陸までは食料を手に入れることはできません。
航海中は僅かな食料でも無駄にすることはできない為、船乗りが考案し、作っていたのが「プディング=プリン」です。
現在、日本でプリンと言えば、なめらかなカスタードプリンが主流ですが、元々の「プディング」は余った食材を寄せ集めたものでした。
溶いた卵に、捨てるはずだった余った肉・野菜などを入れて煮込み、それを蒸して固めて作ったものを「プディング」と呼んでいたのです。
その後、それは船の上から陸にも伝わり、卵液にパン、フルーツ、ナッツを入れる等、ヨーロッパ各地で様々な形に変わり、バリエーションが広がっていきました。
やがて、何も入れずに卵液だけでプリンを作るようになり、18~19世紀のフランスで「カスタードプディング」が誕生しました。
これが現在、私たちが日ごろ食べているプリンの前身ということになります。
というのも、当時のプリンは、まだ「カラメル」を使わずに作られていました。
しかし、蒸したプリンを型から取り出す時、プリンと型の底がくっつき、形が崩れてしまうという問題が発生しました。
そこでヨーロッパの職人たちは、この解決策として「カラメル」を使うというアイデアを考案しました。
つまり、型から綺麗に取り出す為、「カラメル」が用いられるようになったのですね。
これが現在の「プリン」です。
なお、イギリスで生まれたプリンが、海を越えて日本に伝わったのは、江戸時代後期から明治初期と言われています。
1872年の文献には既にプリンが登場しており、レストランで提供されていました。
当時は希少な食べ物でしたが、その後、庶民の間に伝わり、1960年代には一般家庭に普及し、食べられるようになりました。
そして、1972年、江崎グリコの「プッチンプリン」が販売開始となり、1990年代には3個パック・ビッグサイズが登場しました。
その後、焼きプリン、かぼちゃプリン、ミルクプリン等、様々な味・食感のプリンが出回るようになりました。
現在は、コンビニ・スーパーでも濃厚な味わいのプリンが買えるようになり、専門店のような美味しいプリンが自宅でも手軽に楽しめるようになったのです。
プリンの栄養
蒸す環境さえ整っていれば自宅でも手軽に作ることができ、口当たりなめらかでスイーツの定番のひとつであるプリンはスイーツの中では低カロリーの部類に入ります。
プリン100g当たりの栄養素は以下の通りです。
プリン100g当たりの栄養 | |
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エネルギー | 125kcal |
たんぱく質 | 5.5g |
脂質 | 5.0g |
炭水化物 | 14.7g |
ミネラル(ナトリウム、カルシウム、鉄など) | |
ビタミン(ビタミンA、B2、B12、パントテン酸など) |
なお、100gあたりのカロリーで比較すると、次のようになります。
プリン(カスタード) | 126kcal |
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ホットケーキ | 261kcal |
ショートケーキ(フルーツなし) | 327kcal |
シュークリーム | 228kcal |
どら焼き | 284kcal |
大福 | 235kcal |
上記の様に、プリンが他のスイーツより群を抜いてカロリーが低いことが見て取れるでしょう。
主に牛乳・卵から作られるプリンは栄養価が高く、スイーツの中では低カロリーで腹持ちもよいのです。
プリンの材料は、卵、牛乳、砂糖が基本であり、他のスイーツでよく使われている小麦粉・米粉といった「炭水化物」、バター等の「脂質」が含まれていません。
炭水化物・脂質が多く含まれているとカロリーが高くなりがちな為、これらが他のスイーツより少ないプリンはその分カロリーが低めなのです。
勿論、プリンの上に脂質・砂糖が多く含まれた生クリームをのせるといった食べ方をすれば、その分カロリーも高くなる為、ご注意を。
プリンは、他のスイーツに比べて低カロリーなだけでなく、栄養面からみても優れています。
プリン作りに必要な材料である牛乳と卵には、身体をつくるもとになる良質な「たんぱく質」が豊富に含まれています。
100gあたりに含まれる「たんぱく質」と「カロリー」 | ||
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たんぱく質 | カロリー | |
プリン | 5.5g | 126kcal |
ショートケーキ(フルーツなし) | 7.1g | 327kcal |
上記の通り、プリン100gあたりに含まれるたんぱく質は5.5g、カロリーは126kcalです。
これに対し、ショートケーキ(フルーツなし)の場合、100gあたりのたんぱく質は7.1gですが、同時にカロリーも327kcalという、プリンの2.5倍以上のカロリーを摂ることになってしまいます。
つまり、プリンはカロリーに対する、たんぱく質の比率が高いスイーツなのです。
それ以外にも、牛乳・卵にはカルシウムをはじめとした「ミネラル」や「ビタミン群」も豊富に含まれています。
プリンは、「美味しく」「栄養を摂れる」スイーツなのです。
パンナコッタとプリンの違い
「パンナ・コッタ(Panna cotta)」は、イタリア発祥の洋菓子です。
パンナは「生クリーム」、コッタは「煮た」と言う意味です。
主な材料は、生クリーム、牛乳、砂糖で、これらを合わせて火にかけて混ぜ、ゼラチンで固めて作られます。
パンナコッタと言えば、生クリーム・牛乳そのままの、真っ白な見た目が特徴的です。
また、生クリームを使用している為、濃厚でまったりとした味わいが特徴で、ゼラチンで固められているので、口の中でとろっと溶けていきます。
一方、「プリン」はイギリス発祥の洋菓子です。
主な材料は卵、牛乳、砂糖で、これらを混ぜ合わせ、蒸し器やオーブンで加熱し作られます。
プリンは、卵の「加熱すると固まる」力を利用して固めている為、ゼラチンは使用しません。
この調理法は、茶碗蒸しと同じですね。
卵を使用する為、プリンの色は淡い黄色が一般的です。
そして、牛乳と卵の素朴でやさしい味が特徴的。
100gあたりのカロリー | |
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パンナコッタ | 240kcal |
プリン | 126kcal |
パンナコッタのカロリーは、プリンの約2倍になります。
パンナコッタは基本的に生クリームが使用している為、パンナコッタの方が脂質も高いです。
5月25日はプリンの日?
5月25日は「プリンの日」です。
より正確に言うと、5月に限らず、毎月25日は「プリンの日」なのです。
「プリンの日」を決めたのは、乳製品で有名な「オハヨー乳業株式会社」で、プリンを食べて、にこっと笑顔になって欲しいという願いから、「ニッコリ=25」という語呂合わせで、25日をプリンの日として日本記念日協会に申請して認定されました。
ちなみに、プリンの日が制定されたのは2010年の為、決まったのは比較的最近です。
プリンの日を決めたのは、自社製品のアピール・プリンの普及促進という目的からと思われますが、しかし、経緯はどうあれ、折角の記念日です。
25日は、自分へのご褒美として、美味しいプリンを食べるのも一興でしょう。